【書評】『生物多様性の謎に迫る』は知的好奇心が満たされます。

生物多様性の謎に迫る

釣りをしていると、「なぜこんなに多くの種類の魚がいるんだろう?」と疑問に思うことってありませんか?

相模湾や外房の南に棲息している「マルアジ」、伊豆七島や三浦半島が産地の「シマアジ」アジ類の最大種でもある「ロウニンアジ」などなど…アジだけでも例をあげたらキリがない!

今日ご紹介する『生物多様性の謎に迫る』を読めば、この疑問がスッキリ解決します。

読みやすいのでぜひオススメですよ♪




こんな人にオススメ!

生物」(動物、植物、細菌など)に興味がある、または好きな方。

●大学院に進んで研究したい、または研究職を目指している方。

最新の研究について知りたい方。

著者 寺井 洋平(てらい・ようへい) について

1999年、東京工業大学大学院生命理工学研究科修了。
博士(理学)。
日本学術振興会特別研究員、東京工業大学生命GCOE特任助教などを経て、現在、総合研究大学院大学先導科学研究科生命共生体進化学専攻助教。
専門は生物の適応と種分化。
現在のおもな研究のテーマは、シクリッド、スラウェシマカク、サンゴの適応と種分化、地衣類の共生と環境適応、ヒトの皮膚形質の適応進化、ウミヘビの海棲適応、ニホンオオカミの島嶼適応と日本犬の成立過程など。

寺井さんの研究の様子が以下のサイトで参照できます。
現在進行中の研究も見れるので、興味深い内容ですよ。

あらすじ

現在の地球には、数百万とも、数千万ともいわれる生物種が存在する。
生物がこれほどまでの多様性を持つに至ったのはなぜなのか。

本書では、生物多様性の原動力でもある「種分化」がどのような過程で起こるのかを、アフリカの湖に生息するシクリッドでの研究を中心に丁寧に紹介。

さらには、アフリカからキューバ、近くの山で著者が実施した野外調査の様子を交えながら、生物の不思議さや面白さ、生物研究の醍醐味を大いに語る。
生物(学)への愛にあふれた1冊。

シクリッドとは、Wikipediaによると、スズキ目ベラ亜目シクリッド科(カワスズメ科) に分類される魚の総称

本書の表紙で描かれているようなお魚です。

興味があった部分をピックアップ!

チワワと大型犬のたとえ話。

序章『種とはなんだろう?』ではチワワと大型犬を例に、生物学的種の概念の説明があります。

とても分かりやすかったので引用します。

「チワワと大型犬は、大きさが違いすぎて交配できないから、もう別種のレベルだね」 という会話を耳にすることがあります。

本当でしょうか。

そこで、牧場のような広いところに大型犬から小型犬までのいろいろな犬種を放し飼いにした場合を考えてみましょう。
たしかに チワワと大型犬は直接交配しないかもしれませんが、他の中型犬はどちらとも交配できるので、世代を重ねるごとに中間の大きさの犬種を介した遺伝的な交流(チワワと大型犬のゲノムDNAが混ざる)が頻繁になり、最後にはすべて中間形質の犬種になると予想されます。

つまり、超小型犬と大型犬であっても中型犬を介して交配は進むと考えられます。

今までこんな考え方をしたことがなかったので、「なるほどなぁ」と思わず頷いてしまいました。

海外での野外調査のコラムが面白い。

本書では各章の終わりに「野外調査ファイル」というコラムがあります。

タンガニイカ湖 (タンザニア)、インドネシア、キューバでの調査内容は興味深く、何よりも各国の文化・暮らしも書かれているので、知的好奇心が刺激されてワクワクします。

またコラムのページは。下の画像のようにグレーのページになっているので読み返しやすいです。

コラムのページは紙の色がグレー。

コラムのページは紙の色がグレー。

ちなみに、野外調査でサンプルを取り終えた『シクリッドの塩焼き』は脂がのっていて絶品らしいです。

魚を食べにタンガニイカ湖に行きたくなるほど美味のよう(片道37時間!)。

野外調査コラム各国のグルメも書かれているから、色々食べてみたくなります(笑)。

まとめ

本書はとても分かりやすく書かれていますが、(僕は文系なので)ゲノム的な話になると一気にチンプンカンプンに…(笑)。

それでも最後まで読み通せたのは、読みやすいのはもちろん、寺井さんの『生物への熱意』が伝わるからだと思います。

海外への野外調査は危険が伴うし、ある意味命がけでもあるので、生物学への愛と興味がなければ、このような挑戦はできないです。

みなさんにも、是非読んでもらいたい一冊です。

以上、今日は『生物多様性の謎に迫る』をピックアップしてみました!

生物に興味を持っていることで、新たな種の発見があるかもしれませんよ♪

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!



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