TwitterやSNSが普及し、何かと気が紛れることが多い世の中。
特に用もないのに、スマホに食指が動いてしまうことってありますよね?
SNS等の「いいね」による快感は、ニコチンやアルコール中毒とよく似ているそうですよ。
今日紹介する『DEEP WORK – 大事なことに集中する』では、気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する方法を取り上げています。
まずは著者の紹介から♪
この記事の目次
著者 カル・ニューポート(Cal Newport) について
ウィキペディアによると、カルさんは1982年生まれ(現在36歳)です。
ブログ『Study Hacks』を見てみましたが、なかなか興味深い内容でしたよ。
2004年にダートマス大学で学位を、
2009年にマサチューセッツ工科大学(MIT)において コンピュータ・サイエンスでPh.D.を取得。
2011年からジョージタウン大学准教授。
教鞭をとる傍ら、ブログ「Study Hacks」(http://calnewport.com/blog/)で学業や仕事をうまくこなして生産性を上げ、充実した人生を送るためのアドバイスもおこなっている。
著書に How to Win at College をはじめとする学生向けのハウツー本シリーズや、
So Good They Cant Ignore You があり、同書は『インク』誌の「2012年起業家のためのベストブック」、
『グローブ・アンド・メール』紙の「2012年ビジネス書ベスト10」に選ばれた。
学生向け のハウツー本シリーズは、これまでに12万部以上を売り上げ、ハーバード、プリンストン、 MIT、ダートマス、デュークといった名門大学に招待されて講演をおこなっている。
訳者 門田美鈴 について
訳書に『カエルを食べてしまえ!』『1分間意思決定 [新装版]』『なぜ、ノウハウ本を実行 できないのか』(以上、ダイヤモンド社)、
『チーズはどこへ消えた?』(扶桑社)、『2日で人 生が変わる「箱」の法則』(祥伝社)、『ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果』(SB クリエイティブ)など多数。
大事なことに集中する 一気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法
『チーズはどこへ消えた?』は当時話題になりましたよね。
本書は若干言い回しが理解に苦しむところはありましたが、ビジネス書にしては読みやすい方です。
あらすじ
SNSやメール返信に気を散らされて、私たちは1つのことにじっくり取り組み、深く考える能力が衰えているのではないか?
そんな問題意識をもった気鋭のコンピュータ科学者が、人気のブログ「Study Hacks」で「ディープ・ワーク」という言葉で自らの考えを発表したところ、直後に149ものコメントがつくなどたちまち大評判となり、テレビやブログで取り上げられ、書籍化された。
「ディープ・ワーク」とは、自らが本当にやりたい意味あることに集中できる環境を作り、それに没頭すること。これにより、著者自身も家族と過ごす時間を犠牲にせずに研究業績を上げ、ベストセラー書籍を著してきたという。
本書は、「ディープ・ワーク」とは何か、なぜ現代社会で希少であるがゆえに身に付ければ強力な武器となるかを説明すると同時に、「ディープ・ワーク」を中心に据えた生活にシフトする方法を、数々の実例と根拠を挙げながらアドバイスする。
ネットに常につながり、大事なことに集中して取り組めない現代ビジネスパーソン必読の書。
ディープ・ワークと対をなすものとして、「シャローワーク」という言葉で表現しています。
ハローワークじゃないよ(笑)。
シャロー・ワーク : あまり知的思考を必要としない、
補助的な仕事で、注意散漫な状態でなされることが多い。
こうした作業はあまり新しい価値を生み出さず、 誰にでも容易に再現することができる。
興味があった部分をピックアップ!
自分の脳に休息を与える
自然の中を散策すると「本質的に人を魅了する刺激」に触れることができ、「人の注意を穏やかに呼び覚まし、注意を集中させるメカニズムを活性化する」のだそうです。
要訳すると、『散歩すると集中力が高まる』ってことです(笑)
また意思決定に関しては、以下の文章が参考になりました。
意思決定は無意識の心に解決を委ねたほうがよい場合がある、ということの立証に着手した。
これは、積極的に決定に取り組むもうとすると、関連情報を詰め込み、それから他のことに取りかかり、その間、潜在意識層に熟考させるよりも「悪い、結果につながる」ということだ。被験者に、車の購入についての複雑な決定に必要な情報を与えて、この結果を引き出した。
半数の被験者は、情報をよく吟味し、そのあと最善の決定をするよう告げられた。
残りの半数は、情報に目を通したあと簡単なパズルによって気をそらされ、それから意識的に考える時間が与えられないまま決定をおこなう場所へ連れてこられた。
気をそらされたグループのほうがよい結果を出した。
このような実験によって、協力者たちは無意識的思考の理論(UTT)―意識的思考と無意識的思考が、意思決定にはたす異なる役割を理解しようとすること―にたどりついた。
「高いレベルでは、この理論は、厳しいルールの適用が必要な決定の場合は、意識的になされねばならないということを示している。
例えば、数値計算をするとき、的確な数学のルールに従うことができるのは意識だけだ。
一方、大量の情報と複数のあいまいな、おそらく相反する制約を伴う決定の場合、うまく対応できるのは無意識のほうだ。
僕は仕事柄(システムエンジニア)、システム障害の調査が煮詰まると、オフィスがある8階から1階まで階段で往復します。
そうすると、障害の原因に気づけたりするんです(不思議です)。
あとトイレタイムも効果的!
問題が起こっているその場をから一旦離れてみると良い解決策が浮かぶかもしれませんよ。
「ネット断ち」は効果がない
一週間に一日だけダイエットしても他の日に大食いしたら、
体重は減らない。 同様に一週間に一日だけ気を散らすことをやめてもそれへの切望はなくな
らない。
と述べています。
ネットを使う時を前もって予定に入れ、それ以外では使わない。
PCのそばにメモを置き「次にネットを使う時間」を書いておき、それまでは絶対使わないようにすると心の筋肉を強化できるみたいですよ。
う~ん、実践するのは難しいよなぁ…。
「ネットワークツール」の職人的選定
「フェイスブックやツイッターは楽しいから、友人ができるから利用する」など、”何らかのメリットがあればいい”という理由でツールを選定するのではなく、以下のような職人的観点で選びましょうと語っています。
職人的方法のツール選び:あなたの職業上および私的な生活の幸福を決める、中核要因を見極める。
その要因へのマイナスの影響を上回る、プラスの影響を与えるツールを選ぶ。
例えばフェイスブックだと、昔の友人と交流ができて楽しいけど、「本当に自分の職種にとって、有意義なツールになっているか」疑ってみるといいかもしれません。
まとめ
よかったところ
本の内容としては、現代人が抱える問題点を題材にしているので興味がわきます。
集中力を高める方法を語るときに、ハリー・ポッターの著者・J・K・ローリングやユングの話が印象的でした。
また本のレイアウトに関して、下図のように文章の上に2.5㎝ほどの空間があるので、付箋が張りやすく、文字と付箋が被らないので良いです。
改善点
改善点①
より理解を深めるために、各章の最後に『まとめ』のようなものがあればよかったです。
言い回しが堅苦しいところが多々あるので、「結局何が言いたかったの?」と感じたため、まとめがあると助かります。
改善点②
「イラストや図」が全く載っていないのは意図的なんでしょうか?予算の関係?
これも集中させるための戦略なのでしょうか。
僕みたいに流し読みするタイプは、図やイラストが読書のアクセントになっているので、イラストが欲しいです(笑)。
以上、今日は『【書評】DEEP WORK『大事なことに集中する』』をピックアップしてみました!
年を取ってくると月日が経つのが早く感じます(笑)。
この本を読んで、大切な時間を再認識してみてはいかがでしょうか?
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!