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【書評】『キリンの一撃 』 サヴァンナの動物たちが見せる進化のスゴ技

今日紹介する本は、『キリンの一撃 』 サヴァンナの動物たちが見せる進化のスゴ技。

キリンの首はなぜ長い?など、サヴァンナの動物たちが持つ奇妙な身体特徴行動特徴を取り上げ、どのようなメカニズムなのかを解説しています。

目次を見るだけでも興味深く新たな発見があるかもしれませんよ!

まずは著者の紹介から♪

著者 レオ・グラッセ(Leo Grasset) について

フランスの若手科学解説者。
YouTubeの人気科学番組「ダーティーバイオロジー」を制作。
1989年、サンテチェンヌ生まれ。
フランスの海外県、カリブ海のグアドループにあるアンティル大学で生物学や生態学を学び、モンペリエ大学で生態学・進化学の修士号を取得。
その後、カナダのモントリオールやアフリカのジンバブエで研究を行った。
2014年から活動の拠点を東南アジアに移し、タイから情報発信を続けている。

僕よりも3つも年下です。焦るなぁ…。

YOUTUBEで「DirtyBiology」と検索すると、レオさんの動画が見れます。

フランス語だから僕は理解できませんでした…

訳者 鈴木光太郎(すずきこうたろう) について

1954年:宮城県に生まれる
新潟大学人文学部教授。
専門は実験心理学。
東京大学大学院人文博士課程中退。

著書
『錯覚のワンダーランド』(関東出版社,1990)
『動物は世界をどう見るか』(新曜社,1995)
『オオカミ少女はいなかった―心理学の神話をめぐる冒険』(新曜社,2008)

※Wikipediaより引用

専門用語も少なく、結構読みやすいですよ。

目次

目次の一覧です。

目次を見ただけでどんな内容か気になりますね。

Ⅰ部 進化の妙技
1章 ハイエナの雌のペニス
2章 キリンの首
3章 ガゼルは賭けをする
4章 シマウマはなぜ縞模様なのか?

Ⅱ部 行動の謎
5章 シロアリのパイプオルガン
6章 アンテロープのウェーヴ
7章 ゾウの独裁とスイギュウの民主主義
8章 嘘つきアンテロープ

Ⅲ部 一風変わった動物たち
9章 フンコロガシと天の川
10章 ゾウの地震波
11章 ミツアナグマ,世界一凶暴な生き物
12章 ライオン・キング,七つの誤り

Ⅳ部 知恵者たちとヒト
13章 人間がもたらすライオンの子殺し
14章 サヴァンナの砂嵐
15章 アフリカでのヒトの進化

「10章 ゾウの地震波」をピックアップ

僕が一番興味を持った章「10章 ゾウの地震波」をピックアップします。

まずはあらすじをご覧ください。

実際ここ数年で、ゾウの音響世界の理解にはめざましい進展があった。

たとえば「ゾウの声」プロジェクトは、ゾウが発するさまざまな音声のデータベースを作成してきた。

ゾウには、唸り声、吠え声、トランペット音、砲隊、叫び声など、一○種類ほどの異なる発声がある。
ゾウが発声できる音域は人間よりも四オクターブ広く、人間の耳には聞こえない超低周波音でもコミュニケーションをとり合う。

ゾウが低周波の唸り(10~40ヘルツ)を発すると、その一部は空気中を伝わるが、そのほかは地震波となって土中を伝わる。

ゾウは互いに情報を交換するために、地震波のような音波を送り、受けとる能力をもっている。
地面はコミュニケーションの媒質として好適である。
というのは、それを媒質として使う動物が少なく、雑音も少ないからである。
しかも土は空気より密度が高いため、振動を遠くまで届けることができる

たとえば、体重75キロの男性が跳ねて着地することで引き起こされる衝撃は一キロメートル離れたところも記録可能であり、3トンのゾウの足の衝撃音の場合には36キロメートル以上先まで届く!

ゾウは、これらの振動を前足で発し受けとる。

ゾウの足底には脂肪球があり、この脂肪球は地面を伝わってくる信号をキャッチし、その信号の質も高める。

脂肪球は地面の振動を集めるレンズとして機能するのだ(信号をできるだけとらえるために感度を高める仕掛けだ)。

受けとった振動は、次に足の骨、肩へと送られ、中耳に届く。

私たちが空気の振動を聞いているように、ゾウは土の振動を聞いている。
近親者がする警戒の唸りがわかるし、地震波がどこから来るのかも特定でき、すぐに防衛体制に入ることもできる。

このように彼らには、サヴァンナじゅうに張り巡らされた地震波の本格的なネットワークがある!

ゾウは謎めいている。
しかしその謎も、この10年の間に、研究者たちの熱心な研究によって少しずつ解き明かされつつある。

彼らの社会的ネットワークの複雑さ、彼らの表現のしかたの多様さ、そして彼らの認知の豊かさがやっとわかり始めた。

いずれこの神話的な動物について驚くような発見がもたらされるかもしれない。

よく「 動物は地震を予測する 」というような話がありますが、このようなメカニズムがあったんですね。

最近の医学では、『線虫』という生物使って尿検査を行い、がんを早期発見できるようです。

安価」かつ「簡便」、「高精度」に出来る検査は良いですね。

犬の嗅覚を使ってもがん判定が出来るようですが、犬は維持費がかかるし、飽きやすいため(調べられる人数に限度がある)、割に合わないみたいです。

最近見た映画「アントマン&ワスプでは、アリの習性を利用して敵に立ち向かっていました。

虫は最短距離で最適な道を見つけることが出来るので、人間よりも賢いですね。

まとめ

この本は、知的好奇心が刺激されるのであっという間に読めました。

興味のある章だけ読んでみるのも、ひとつの手段ですね。

カラー写真や図が適所にあるので分かりやすいです。

まだ若い著者の作品に期待です。

以上、今日は『キリンの一撃 サヴァンナの動物たちが見せる進化のスゴ技』をピックアップしてみました!

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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